お茶コラム:お茶の種類

日本茶鑑定士・日本茶インストラクターによるお茶コラム。
今回は「お茶の種類」。

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お茶の種類

掲載日:2009年11月13日

茶は、ツバキ科の仲間であるチャの樹(学名 カメリア・シネンシス)の芽や葉から作られる嗜好飲料で、2000年以上にわたって人類に愛用され、コーヒー、ココアとともに世界の三大嗜好飲料とされています。

茶は下の表のように不発酵茶、半発酵茶、発酵茶の3種類に分かれています。これは製造の全段階で茶葉の酸化酵素の働きをどのようにさせるか、つまり製造方法の違いによって分類されるのです。

すなわち、製造の最初の工程で、茶葉(生葉)の酸化酵素の活性を最初にとめるか、途中でとめるか、十分に活性させるかによって、不発酵茶(緑茶)半発酵茶(ウーロン茶)発酵茶(紅茶)に分類されるのです。そう、 もともとは緑茶もウーロン茶も紅茶も同じ樹からできているんです。

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不発酵茶(緑茶)

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1、蒸し製(日本式)

《普通煎茶》

茶葉を蒸して揉みながら乾燥させたもので、上級茶ほど旨みやみる芽香(やわらかい芽の香り)がある。山地の気象、土壌条件などによって香り、味などに特色がある。蒸しの時間が標準的であることから、これを普通蒸し煎茶として『普通煎茶』と分類する。一般的に煎茶と呼ばれる。

《深蒸し煎茶》

製法は煎茶と同じであるが、茶葉の蒸し時間を普通煎茶に比べ2〜3倍長くして製造したお茶である。蒸し時間が長いため形状は細くなるが、渋みが抑えられた濃厚な味が特徴。1970年ころから製造され始めた。

《玉露》

一番茶の新芽が伸び出した頃から、葦簾(よしず)棚などに藁や寒冷紗などで茶園を覆い、ほぼ完全に日光を遮った茶園(『覆下園』という)から摘採した茶葉を原料とし、煎茶と同様に製造した茶である。

《かぶせ茶》

茶の品質を高めるために、一番茶の摘採前7日前後に藁や寒冷紗などで茶園を覆って育てた茶葉を原料とし、煎茶と同様に製造した茶である。

《碾茶》

玉露と同様に、新芽が伸び出した頃に茶園に覆いをして栽培し、蒸した葉を揉まないで乾燥したもの。抹茶の原料となる。

《抹茶》

碾茶を茶臼で挽いて微粉状にした茶。茶碗の中で茶筅(ちゃせん)という道具で撹拌して飲む。

《蒸し製玉緑茶》

煎茶の製造工程のうち葉の形状を整える精揉工程を省略し、もみながら乾燥した茶で勾玉(まがたま)状の形状をしている。グリ茶ともいわれる。茶葉を蒸してから製造するので(2)の釜炒り製玉緑茶と区別する。

《番茶》

通常の茶期に生産した茶葉以外で新芽が伸びて硬くなった茶葉や古葉、茎などを原料として製造した茶。これ以外にもさまざまな製法があり、京番茶、阿波番茶、美作番茶など地方独特の番茶がある。

《焙じ茶》

一般に下級の煎茶や番茶などを強火で炒って作った茶。香ばしさが特徴。

《玄米茶》

煎茶や番茶に焙煎した米を混ぜた茶で、米の香ばしい香りが特徴。

2、釜炒り製(中国式)

《釜炒り製玉緑茶》

鉄製の釜で茶葉を炒りながら、乾燥した茶。形状は勾玉状をしている。

半発酵茶(烏龍茶)

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《包種茶》

茶葉を軽度に発酵(酸化)させ、もみながら乾燥させた茶。半発酵茶の一種であるが、やや緑茶に近い。ジャスミン様の芳香があり、主として台湾でつくられる。

《烏龍茶》

茶葉を中程度に発酵させ、揉みながら乾燥させた茶。発酵の程度は緑茶と紅茶の中間で、半発酵茶の一種である。産地により様々な香りがあることを特徴とする茶。中国、台湾が主な産地。

発酵茶(紅茶)
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茶葉を完全に発酵させ、揉みながら乾燥した茶。濃い橙紅色で香りが高い。インド、スリランカが主産地。

山科茶舗によるお茶コラム