お茶コラム:嬉野茶とは

日本茶鑑定士・日本茶インストラクターによるお茶コラム。
今回は「嬉野茶とは」。

お問い合わせはフリーダイヤル0120-177-515まで。

お電話・FAXでもご注文頂けます。
お気軽にお問い合わせ下さいませ。

嬉野茶とは

掲載日:2009年11月13日

かわいいクルッと丸く玉のような形のお茶。
それが玉緑茶と呼ばれるお茶です。別名"ぐり茶"ともいわれます

日本茶の中でも独特の形状と風味をもつこのお茶は香りが強く、さっぱりとしていて、急須の中で茶葉が開くまで何煎でもいただけます。

佐賀県は日本で始まった緑茶栽培発祥の地として知られています。
1191年、栄西という僧が中国に2度渡り、臨済禅とともにお茶の実を持ち帰り、佐賀県の背振山に植えました。これが現在、私たちが飲んでいるお茶の源と考えられています。嬉野茶の起源は、明から渡来した唐人が陶器を焼きながら、茶の栽培を始めたのが始まりといわれています。中国伝来の方法で作られたこのお茶は、釜で炒るために処理能力が小さく、一日ごとに葉の状態が違うから、火加減も微妙に変えないといけないなど、お茶ができるまでには大変な手間がかかっています。この釜茶は日本の中でも佐賀、熊本、宮崎など、九州に産地が集中しています。その中でも嬉野で作られる釜茶は2009年全国品評会でも1位を獲得しており、その香り、味、形状どれをとっても最高級との評価を得ています。佐賀県嬉野は長崎街道の宿場町でしたが、湯治場としても知られ賑わっていました。宿で出されるこの地方のお茶で旅の疲れを癒した人々を通じて『嬉野の茶はうまい』という評判が広がったようです。

江戸時代には長崎に移住したシーボルトも江戸参府の途中ここを通り、嬉野茶を賞味して、『嬉野は日本国に名高くして優れた緑茶を産出す』と記録しています。遠き昔に思いをはせ、ゆっくりと味わってほしいノスタルジー満点のお茶です。

山科茶舗によるお茶コラム