お茶コラム:冠茶(かぶせ茶)

日本茶鑑定士・日本茶インストラクターによるお茶コラム。
今回は「冠茶(かぶせ茶)」。

お問い合わせはフリーダイヤル0120-177-515まで。

お電話・FAXでもご注文頂けます。
お気軽にお問い合わせ下さいませ。

冠茶(かぶせ茶)

掲載日:2013年08月30日

冠茶とは『茶樹に覆いをして成長させた茶芽で作った茶』のことです。

成長期の茶芽は直射日光をさえぎると

渋みが少なく甘みの強いコクのあるお茶が出来ます。

冠茶.jpg


なぜかというと、茶樹は根から肥料を吸収して、根で旨み

成分であるテアニン(アミノ酸の一種)を合成します。

このテアニンは茶葉に蓄積されますが、日光に当たると

渋み成分であるカテキンに変化します。せっかく合成

された旨み成分が、渋み成分に変化しないように

覆いをする事により日光を遮断しているのです。


冠茶の遮光はお茶を摘む前、1週間~10日くらいで 

遮光率は50%くらいです。

日本茶の最高峰、玉露も覆いをして作られますが

玉露の場合は、冠茶よりも覆いをする期間が長く

遮光率も高くして作られます。(100%近く)

ですから、冠茶は玉露と高級煎茶の中間と言う

表現がよくされます。


また、覆いをすると『覆い香』という青海苔のような

香りが生成され、茶葉も柔らかくてきれいな鮮やかな

緑色になります。


福岡県の名産地、八女では玉露や冠茶(かぶせ茶)

の生産量が多く、新茶シーズンに八女を訪れると

藁で覆いをした本玉露栽培や寒冷紗で覆いをした

冠茶の茶畑を随所に見る事が出来ます。


当社商品ではこの冠茶(かぶせ茶)は

八女深蒸し みやび(100g ¥1050)です。

覆い香とテアニンの甘みをしっかりと感じる事が

出来ますのでどうぞ一度お試しください。

山科茶舗によるお茶コラム