お茶コラム:玉露とは

日本茶鑑定士・日本茶インストラクターによるお茶コラム。
今回は「玉露とは」。

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玉露とは

掲載日:2009年11月13日

小さな茶碗で、少しずつ味わう極みのお茶。特徴は"トロリ"とした独特の飲み口と甘みの強さにあります。はじめて玉露を味わうと口いっぱいに広がる甘みに、これがお茶?と驚かれる方も多いです。飲んだ後は玉露ならではのコクの深い、熟成された香りが口の奥から口のなかへ、ふわっと蘇ってきます。

この味の秘密は茶葉の育て方にあります。摘み取り前のおよそ20日前後くらいから直射日光を遮ってつくられます。(よしずという藁のようなもので覆います。)茶葉は直接太陽の光を浴びないことで、お茶のうまみの成分であるテアニンが増え、玉露特有のとろんとした、まったりとした甘み成分が生まれるのです。味だけではなく『覆い香』といわれる玉露特有の香りも素晴らしく、味と香りが相まって贅沢の極みの一杯が生まれるのです。

ただ、玉露の淹れ方は普通の煎茶とは違います。50℃くらいまで湯冷ましで冷ましてから急須に注ぎ、約2分くらい蒸らしてください。高温のお湯で淹れると苦味成分まで抽出されてしまいます。玉露の上品な甘みを感じるにはこの淹れ方が大事です。

玉露の茶葉は鮮やかな緑色で、細長くよれたものが上質とされています。端正に整えられた細長い葉は一目見るだけでも、日本最高峰のお茶としての風格が見受けられます。

主な生産地は福岡県八女地方、京都の宇治、静岡の岡部など。その中でも福岡県八女地方は玉露の名産地として知られ全国一の生産量を誇っています。

玉露の名の由来は1835年(天保年間)江戸の茶商、山本山6代目の山本徳翁が京都・宇治において製茶中に茶葉を露のように丸くあぶったことが玉露の原型になったとされています。別の説では玉露独特の旨みが玉の露のようだからともいわれています。

山科茶舗によるお茶コラム